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省エネ住宅は断熱気密性能だけでなく、エネルギーの感覚をつける
高気密高断熱住宅だけではない。スマートライフ
スマートライフとは、エネルギーを効率的に使い、賢くシンプルな生活を実践する新しい省エネ型のライフスタイルの事です。『財団法人省エネルギーセンター出典』、
省エネ住宅に住めば、省エネの生活がおくれるというものではありません。どんなに断熱性能を上げても、気密性能を上げても、省エネ型のライフスタイルを共に構築しなければなりません。
まずはエネルギーの基準を1次エネルギーで考える。
私達の普通に使っている光熱費と言われるものは、都市ガス、電気、灯油といったエネルギーの事です。これらは2次エネルギーと呼ばれています。これは、もともと自然界にあるエネルギーを加工変換したエネルギーなのです。この加工変換する前のエネルギーの事を1次エネルギーと言い、石炭・原油・天然ガス・地熱などです。地球目線で考えると、電気なら使った電力で無くその電力を発電するのに必要となった元エネルギーで考える必要があります。
各種エネルギーの一次エネルギーのMJに換算
電力 エネルギー源別消費割合 64% |
1次エネルギー換算 9,97MJ/kwh |
1kwh=860cal 100Wの電球を1灯を10時間使った |
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都市ガス エネルギー源別消費割合 11% |
1次エネルギー換算 45MJ/㎥ |
1㎥=11000cal お風呂200L(10℃から40℃まで)を2回沸かす |
LPガス エネルギー源別消費割合 7% |
1次エネルギー換算 |
1㎥=24000cal=2.18kg お風呂200L(10℃から40℃まで)を4回沸かす |
灯油 エネルギー源別消費割合 14% |
1次エネルギー換算 36.7MJ/L |
1L=8771cal(1MJ=239cal) お風呂200L(10℃から40℃まで)を1回沸かす シャワー8分を(10℃から40℃まで)96L使う |
上水 エネルギー源別消費割合 3% |
1次エネルギー換算 4.5MJ/㎥ |
1㎥=1000L 一日あたり3人家族700Lなので1日半程度 (一日一人当たり220L) |
下水 | 1次エネルギー換算 4MJ/㎥ |
1㎥=1000L 一日あたり3人家族700Lなので1日半程度 (一日一人当たり220L) |
「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」平成20年 環境省
「ガス事業便覧・一般ガス事業者の概要・ガス料金・標準熱量」平成19年度版 社団法人「日本ガス協会」
かしこい住まい方ガイド住まいの省エネブックIII 一般財団法人省エネルギーセンター
毎日使う水であってもエネルギーは消費されている
毎日使っている上水であっても、河川から水をくみ上げ作り上げるためにエネルギーを使っています。上水を使うということは下水も使っています。下水には下水処理をするのでそこでもエネルギーを用いています。
たとえば、
トイレ1回13Lでの使用80回と、
LDKのシーリングライトを2日間(5時間)使ったのが同じエネルギーになります
お風呂1回(都市ガス)200L(水)沸かすのと、
LDKのシーリングライトを5日間(26時間)使ったのが同じエネルギーになります
1次エネルギー換算すると、いろいろなものを同じ尺度で測ることできます。
上記の表のエネルギー源別消費割合で見てみると、電力の割合が最も多く、次に灯油と続きます。電力の中には、エアコン・冷蔵庫・照明・テレビその他様々なエネルギー源として利用しやすいのでこのような結果になります。
電気というエネルギーのすごさ
電気がこれだけ割合が大きいのには、意味があります。電気はとても優れたエネルギーで、パソコンや家電製品を動かすことができます。これって当たり前のように感じますが、すごいことなのです。たとえば灯油は熱エネルギーを起こすことはできますが、電気を作るにはタービンが必要です。ガスも、同じです。つまりエネルギーといっても電気は圧倒的に用途が多い優れたエネルギーなのです。太陽光発電は、太陽のエネルギーの10%の効率であっても自宅で発電できるということは、電気の生産と送電ロスがないので、優れた発電設備なのです。
太陽光発電と太陽熱温水器
太陽光発電が主流の現在ですが、以前太陽熱温水器が流行っていました。太陽熱温水器は、太陽の熱エネルギーを用いて温水を作る機能です。もちろん雨の日などは集熱しないので、給湯器とセットでつけることになります。太陽光と違って、太陽の熱エネルギーをそのまま温水のエネルギーに変える設備ですので、効率が40~50%ととても良いのが特徴です。太陽熱設備は集熱設備が3~4㎡と小さいのもの特徴ですが、もっと導入コストを下げて再生エネルギーの活躍を期待したいと思います。一方太陽光発電は、電気を作り出せるメリットはあるものの、太陽光をつけることで儲かるという感覚で設置した場合、今後売電価格の下落が見込まれます。
2009年に国の補助政策で始まった『余剰電力買取制度』から『固定価格買取制度』が導入され、長期間にわたり太陽光の買い取り価格を固定化した。ただし、永久的でないため2009年に始まった固定買取制度は10年後の2019年に終了する。これが2019年問題でその後どのような制度になるかは未定である。また、パワコンなど付帯設備も10年で寿命を迎えるのでしっかり準備が必要であろう。なんにせよ、今までと異なる価値観で太陽光発電を考える必要があるでしょう。