20年先も恥ずかしくない住まいづくり

設計③ ー新たなライフスタイルの開拓ー デザインコンセプト

コンセプトとなる言葉は、最初に”ドーン”と決まる場合もあります。
逆に、その物件でのライフスタイルにおけるそれぞれのシーンを想定していく中で、生まれてくる場合もあります。
今回の物件の場合は後者です。
現調で撮影した写真を見ながら、その場所、その場所でどんなことができるかを考えてゆきます。

例えば。。。
「屋上のバルコニーを利用して農園をつくれそうだ」
「屋上で採ったフレッシュな野菜をそのまま料理して食べるとか、良くない?」
「じゃあ、キッチンは2階がいいんじゃない?」 このシーンの場合、庭園とキッチンの繋がり、つまり、外空間と内空間の繋がりが重要になってきます。
「仕事にストイックな人って、ロードレーサー(競技用自転車)に乗ってるイメージあるなぁ」
「そういえば、ターゲットでITエンジニアの人を例に挙げたけど、身近にいるSさんも実際自転車通勤してるよね」
「広い土間空間があって、そこに自転車を飾るとか。ロードレーサーに乗ってる人は自転車の片付け方もカッコイイよ」
「広い土間は、(外出という広い意味での)アウトドアの強い味方だよ」 このシーンの場合は、土足で利用する室内空間「土間」が鍵になります。 ここでも、外空間と内空間の2つの要素が絡み合ってきました。

そして、

こんな感じで
「1階は2階に比べて閉鎖的だから個室空間がメインだな」
「囲まれているから、家族で向かい合って時間を過ごすみたいな場所があってもいいんじゃない?」
「リビングとはまた違う…共有で使う個室ってイメージが強いかな…」
「あ~、おもやい(方言:仲良く共有するの意)だね」
「みんなが気楽に…自由に好きな姿勢で過ごせるような空間がいいなぁ」
「部屋に段差があるだけで、寝そべる、座る、凭れかかる、胡座をかく、色んな姿勢を誘発するんじゃない?」
「それなら部屋の中心を凹ませると、家族が自然と部屋の中心を向くよね?」

家族同士の視線が、交わる。
……交わる…?
ついに見つけ出した、このキーワード
外と内が繋がる…絡み合う…交わる
家族の視線が交わる
そう。私たちが考えていたデザインのコンセプトは、まさしく『交(まじわる)』の一言だったのです。
ドレスロッジ_リノベーション_吉祥寺0276
忙しい家族が楽しい時間を過ごすための空間
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1階は家族の視線が交わる『おもやいの部屋』
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2階は外空間と内空間が交わる『ダイニング・キッチン』
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こうして、1ヶ月かけ、農園・ガーデニングで生活を豊かにする賃貸住宅がカタチになりました。
…しかし、この図面を描いた苦労が水の泡になるとは…この時は知る由も無いのでした。

設計④ ー新たなライフスタイルの開拓ー まさかのプランの変更

設計図が一通り準備できたところで、いよいよ着工。まずは解体工事からです。
しかし、、、

『この柱、足元浮いてるんだけど…』
構造体としての役割をすでに終えた柱が出てきたり…
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『なんか、梁が出てきた。』
今ではなかなか見ることができない太鼓梁が出てきたり…
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『床の剛性が全く無いよ…』
2階の床も構造体として機能していなかったり…と…

壊してみて初めて確認できた築70年が経過した家の中身。
壊せないと思っていた部分が、、、実は壊せる部分だった、、、

解体してみなければ、わからなかったこの物件が持つ魅力。
これは、、、チャンスです!

『…ここの材、全部取って1階と2階繋げた方が、もっと気持ちいい空間になるよ!』
『ここから、あの梁を見てもらうのが、すごくカッコイイと思う!』

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…と言うわけで、プラン変更です。
こうして、苦労して描いた図面は、描き直しとなったのでした。
もっともっと素敵な空間に生まれ変わりそうです。

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