20年先も恥ずかしくない住まいづくり

中庭のある家の間取り図。デメリットはあるのでしょうか?

「間取り図」とは

まずは言葉から確認しましょう。

間取り図」とはよくチラシなどに載っている、部屋を上から見たような図のことです
おおよその部屋の配置や、広さ、窓の位置やベランダの有無などを把握することができます。平面図とは多少意味合いが異なってきます。平面図は縮尺もきちんと厳密にとっていますが、間取り図は視覚的に部屋の状況を確認するためのものですので、わかりやすさ重視です。

間取り図の見方

さて、今回は中庭のある家の間取り図の見方をご紹介しましょう。

中庭とは建築物などで囲まれた屋根のない庭のことです。
中庭を間取り図で見ると、どうしても2次元で確認することになり日射がどう差し込むか、日陰はどうできるのかなどがわかりにくいことです。確かに方位は書いてありますが、建物に囲まれている、ということですから周りの建物の高さがわからなければ、正確にどのように日射が差し、影ができるかなどは把握できないのです。
中庭の用途にもよりますが、一般的には中庭にも陽が差して、影があまりできないほうがいいですよね。また、中庭は囲まれているためプライベート空間だと思われがちですが、周りの建物が高ければ上からのぞかれてしまう可能性もあるので間取り図と合わせて周辺環境もチェックする必要があります。

分譲住宅の展覧会などに参加する場合、あらかじめ中庭をどんな風に使いたいか考えておき、展示場内に入ったら詳しく係りの人に聞くといいでしょう。
また、注文住宅をお考えならば、その点を強調して設計者に伝えましょう。

中庭は、住宅の醍醐味の一つ

中庭のある家のは大好きです。そして私達も良く使うデザイン手法です。

大好きな中庭の住まいだからこそ、デメリットを声高にお話しさせて頂きます。

ロの字型中庭について

ロの字型と言うのは、建物で4面囲まれている形態の中庭で、一番閉鎖性の高い中庭になります。この中庭のデメリットは、かなり上手く平面計画ができないと、廊下率が高くなってしまい、坪数がどんどん増えてしまいます。その為、平面計画の段階で、トイレはこっちが良いとか、お風呂はこっちがいいとか、細かいクライアントの要望は反映されにくくなります。すべてを網羅したプランにすると、時には3坪も4坪も大きくなってしまう事もあります。
中庭は、外部にあるので、床面積に加算されません。しかしながら、外壁内壁の面積は増えているので、同じ坪数の建物でも割高になってしまいます。やはり、コスト増というのは中庭タイプのデメリットの筆頭格になるでしょう。

階数も、中庭型のプランに影響を及ぼします。たとえば、開放的な中庭にしたければ、やはり一階建ての中庭にするべきでしょう。二階建て、三階建てに囲まれた中庭は、圧迫感を感じる人もいるかもしれません。設置の仕方によってはジメジメした雰囲気を醸し出すこともあるでしょう。なんでもかんでも、プライバシーを考えて中庭設置と言うのはよろしくありません。通気や換気もしっかり考慮して計画することをお勧めいたします

囲まれた中庭だから起きる問題

次に、マニアックなデメリットです。ロの字型で囲まれた中庭には出られないものがあります。なんでしょうか?答えは排水です。囲まれた中庭は、基礎にも囲まれています。その為、計画段階で排水経路を手配しておかないと、粘土質の敷地などでは、地面に雨水が浸透されにくいのであっと言う間に、中庭がプール状態になってしまいます。しっかり浸透させるのか、排水経路を検討して配置するのか、どちらかの選択をお勧めします。特に近年のゲリラ豪雨は、こういった問題が浮き彫りになってくるでしょう。

中庭が起こす水漏れ

もう一つ水系では、中庭に最近はウッドデッキを敷くことが流行っています。室内と同レベルで続くウッドデッキは、まるで室内空間が広がったような感覚を覚えさせてくれます。このウッドデッキもデメリットがありまして、それは雪です。
ゲリラ豪雨と同じで、関東地域でも、積雪量が増えているように感じられます。ウッドデッキと室内空間を同レベル、つまりフラットにした場合、もし雪が積もったらどうなるでしょう。庇があれば良いのですが、もしなかった場合、ウッドデッキにたまった雪はサッシよりも高い位置に積もります。そして室内の気温の高さで雪は解けます。その溶けた水は、毛細現状で、サッシから室内、もしくは壁内に入ってしまいます。ウッドデッキがある事で、雨漏りが発生してしまうのです。できれば、少しでもサッシから離してウッドデッキを設置したいものです。

コの字型の中庭

ロの字型に中庭を作る方法と、もう一つコの字型に中庭を作る方法があります。コの字型の中庭の方が、良く目にする事があるでしょう。ロの字型の中庭に比べコストが安く、プランが作りやすいのが特徴です。主に長方形の土地で計画することが多いでしょう。コの字の場合、3方を個室にして、中庭を共有するか、廊下スペースにして中庭を見ながら回遊できるようにするかの2通りがセオリーです。コの字型の場合、1方に壁がありませんので、外構でウッドフェンスを作ることが多いでしょう。しかしながら部屋を配置するわけではないので、隣地境界まで距離は近くなってしまいます。こういった場合間取り図だけでは判断できないのが、お隣の家からの視線です。二階建ての部屋から中庭が丸見えなんてことも良くある話です。外構の中でも、特に中庭はプライバシーの高い庭であることが多いのです。そこに住んでいる方も、プライベートに楽しむ庭として認識しているでしょう。隣地の目線は気をつけましょう。

まとめ①  中庭は、抑える所は抑えて、設計する

中庭が魅力的な事は、誰でも知っています。でも文字のとおり中に庭を作る。つまり、建築的には普通でないという事は、それなりの配慮も必要。今回のデメリットはメリットに変換しにくい問題であります。抑える所は抑えて計画しましょう。

私達調布の設計事務所の、中庭実例はこちらで見る事が出来ます。また中庭はエピソードで住まいの設計を行います

まとめ②  中庭は、窓のカーテンがいらない

1階リビングの多くの住宅は、まず窓のレースのカーテンを開ける事はできません。皆さんも街中を歩いてみて、レースのカーテンを開けている住まいは少ないと思います。どうしても住まいの設計において、南側にリビングの大きな掃き出しの開口を設ける事が一般的になります。しかしながら間取り図では大きな庭に面していると思っても、実際住んでみると周りの目線が気になり、レースのカーテンを閉めっぱなしと言うことは少なくありません。一方、中庭のある家は、庭が完全プライベートゾーンになるので、窓を開けっ放しにする事が出来ます。とても当たり前のように思えますが、住んでみると開けられる窓と言うのはとても気持ちの良いものですので、中庭はお勧めいたします。