20年先も恥ずかしくない住まいづくり

性能が良い家が欲しい。

でも予算以内で家を建てたい。

皆さんが思うことは同じです。今回の工場見学で案内していただいたLIXILの担当者に、普段はなかなか聞けない質問をぶつけてみました。

 

LIXIL担当者に聞くこれからのサッシ

どうしてもコストがかかる断熱性の高い樹脂サッシと、どのように向き合えば良いのでしょうか?

Q1:設計
LIXILの断熱性の高いサッシとしては、サーモスX(UA=1.05)、エルスターX(UA=0.79)がありますが、両者の違いは、どのような部分にあるのでしょうか?

A1:LIXIL
サーモスXもエルスターXも、トリプルガラスを採用しています。3mmのガラスで1.3mmの特殊薄板ガラスを挟んだものが標準です。大きな違いは、ガラスではなく、ガラスをはめる枠の層にあります。エルスターXはサーモスXよりも、枠断面の空気層を細かく、厚みを持たせることによって、枠の部分の熱貫流率を下げています。同じトリプルガラスでも、サーモスXがUA=1.05、エルスターXがUA=0.79と断熱性能に違いがある理由はそこにあります。ただし、エルスターXは性能が高い分、価格も高いため、コストを抑えつつ住宅の断熱性能を上げるには、「面積の大きい開口部でエルスターX」、「面積の小さい開口部ではサーモスX」といったように使い分ける方法をお勧めしています。

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アルミサッシと樹脂を組み合わせる理由

Q2:設計
サーモスXは、樹脂とアルミの複合サッシですが、わざわざ断熱性が低いアルミと樹脂を組み合わせる必要性はあったのでしょうか?

A2:LIXIL
これには、いくつ理由があります。ひとつは、樹脂よりも強度の大きなアルミとすることで、枠の見た目を細くするデザイン的な理由があります。枠の見た目が細ければ、住宅の外観が非常にシャープな印象になります。外観を気にされる方にはオススメです。他にも、外部にシャッターなどを取り付けたりできる汎用性の確保という理由もあります。それよりも大きいのは、劣化を防ぐ処置ということですね。樹脂サッシの原料である『塩化ビニル樹脂(通称:塩ビ)』は、耐久性が高いプラスチックではありますが、太陽の紫外線などで全く劣化しないというわけではありません。そういった面で見ると、アルミは、耐久性・耐候性ともに樹脂よりも優れた素材なので、樹脂の断熱性能と合わせることで、より快適で長持ちするサッシを目指しています

どこまでの性能を求めるか

Q3:設計
最近、ファイブガラスで「壁と同じ断熱性能を持つ」というレガリス(UA=0.55)を出されましたが、やはり窓にもこれほどの断熱性能が求められているのでしょうか?

A3:LIXIL
レガリスは、正直なところ、納品される機会が非常に少ない商品です。価格が高すぎるということが原因の一つですし、オーバースペックな感もあります。どちらかというと、「売ろう」という感じではなく、メーカーとして「良いものを創ろう」という気持ちで開発したサッシなんです。それでも、一般的な断熱材(グラスウール100mm)を入れた壁のUA値=0.35には、かないませんが…

今後の流れ

Q4:設計
今後、日本におけるサッシの展開としては、レガリスのような商品が主流となるのでしょうか?

A4:LIXIL
レガリスは一種のチャレンジでしたので、それが主流になることはまだ考えていません。実は、日本における樹脂サッシの普及率は、複合サッシを含めても37%と低く、現状、アルミサッシが主流なんですね。それも北の方から順々に普及してきている状況なので、本州もまだまだこれからといった感じです。弊社の新規開発も、今のところひと段落しています。今後しばらくは、トリプルガラスの樹脂サッシ(サーモスXとエルスター)を普及させていくことが第1であると考えています。

設計
ありがとうございました。

最新性能のコスト

製造メーカーは、今より良いものを!!という気概で日々開発を行っております。しかし住宅は、様々な場所に作られ、様々な人々が作っています。ある意味、材料としては非常に過酷な環境と言えるでしょう。その中で最新の商品を企画開発し世に送り出しています。ある意味、メーカーの挑戦でもあります。こういった挑戦が行いにくい土壌が日本の市場にはあります。こういった点もサッシの性能が世界に遅れた要因でもあると思います。しかしながら、挑戦しなければ未来が無いことも確か。

最新の最高性能の商品はどれもはじめは高いです。サッシもしかり。

コストが下がり始めるとき

商品のコストが下がり始めるときは、次の最新商品が出たとき。もしくは廉価版が出たとき。今のサッシ業界は、性能の勝負がひと段落したころかもしれません。そのため、性能の良いサッシを使うところと、多少落としても、大丈夫なところをしっかり見極めることが必要です。何でもかんでも最新の商品を入れずに組み合わせを図りましょう

もちろん寒冷地域の場合は少し設計が異なるので注意が必要です

 

サッシ発展途上国であった日本が今、サッシ先進国の仲間入りを果たそうとしています。

住宅の資産価値を守る為にも、日々の生活を快適に過ごす為にも、サッシの選択など、性能とコストのバランスは専門家とよく相談することが重要だと思います。