20年先も恥ずかしくない住まいづくり

前回に引き続き、サッシ工場見学のレポートにあわせて、開口部についてお話します

窓には3つの役割がある

サッシには様々な種類があります。シリーズに規制寸法、開き方まで含めると、その数は裕に1000を超えます。これはつまり、「窓はただつければ良い」というわけではないということなのです。窓にはそれぞれ目的があります。

まずは、見る・見られると言った「視線」をコントロールすること。
それよりも重要なのは、住まいの快適性に関係する「採光」「通風」を確保すること。

サッシは断熱性能以外に、その位置と、これらの目的にあったものをチョイスすることが、快適な住空間をつくる上で重要になってきます。

サッシの開き方とその特徴

サッシの開き方の機構には、主に「滑り出し」「開き」「横引き」「Fix」「倒し」「ルーバー」といった種類があります。それぞれの特徴をお話します。

滑り出し窓

滑り出し窓」は、窓ガラスが外側に斜めに持ち出すタイプの窓です。枠の縦のラインが外に出るのか、横のラインが外に出るのかで、縦と横の2種類に分かれています。「縦滑り出し窓」は、窓ガラスの部分が風を受け止める面として働くため、室内の通風を確保しやすくなります。

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横すべし出し窓

横すべし出し窓」は、ガラスの部分が庇のようになるため、雨天でも雨が入りにくく、通風を確保することができるという特徴があります。

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外開き窓

外開き窓」はドアと同じ開き方をする窓です。他の窓との大きな違いは、窓ガラスの部分が全て、オープンになるということ。正面からの風に対し、単純に開ける面積を増やして通風を確保したい場合は有効です。風向き、部屋の向きによって、「縦滑り出し窓」と「外開き窓」を上手く使い分けするのがポイントになってきます。

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引き違い窓

引き違い窓」は、2枚の窓ガラスが互い違いにスライドする窓の中でも最もポピュラーなタイプの窓です。開けられる窓としては、機構が単純なので、最も安価で手に入ります。しかし、「滑り出し窓」や「開き窓」と比較し、機密性に劣るという欠点があります。

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Fix窓

Fix窓」は、ガラスが固定されていて開けることができない窓です。通風は全く取れませんが、枠の面積が小さくなるという意味で視認性に優れています。また、「Fix窓」は他の機構の窓との組み合わされたタイプも多く販売されています。

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倒し窓

倒し窓」は窓の下のラインを軸にして窓ガラスを倒すように開けるタイプの窓です。室内側に倒すのか、屋外側に倒すのかで、内と外の2種類があります。「内倒し窓」の場合、室内側からガラスの清掃が可能になります。「外倒し窓」は室内の熱気が出て行きやすい形になっていますので、熱気がたまりやすい天井面近くに設けると非常に効果的です

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ルーバー窓

ルーバー窓」は、複数の細長い窓ガラスを格子状に取り付けたもので、ハンドルを回転させることによって、開閉を行います。

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「よこ滑り出し窓」のように、雨天でも雨が入りにくく、目線を遮ることができるため、水周りなど換気を必要とする部屋に適しています。

このように、開き方次第で、サッシは様々な特徴を持ったものに分かれています。快適な住空間をつくるには、最初に述べたように、窓の役割別にサッシを選ぶ必要があるのです。

窓の役割とサッシ選定の例

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まずは「視認性」

外の景色を眺めたいのか?
外からの視線を遮りたいのか?
前者の場合は、目線の高さにガラス面が大きくて枠がすっきりしているFix窓を持ってくる。窓を開けて外の様子をもっと感じたいのであれば、「引き違い窓」でも良いでしょう。後者の場合は、採光と通風だけを考えて、目線よりも高い位置に「外倒し窓」を取り付けるといった例が考えられます。

次は「採光」

部屋を明るくするためにはどうすれば良いのか?
単純に「引き違い窓」の背の高いタイプ(吐き出し窓)を選んで、ガラスの面積を広くする方法もありますが、同じ面積であっても、部屋の高い位置に横長の窓を設ける方が部屋を明るくすることができます。雨の日のことを合わせて考えるのであれば、「横滑り出し窓」を並べるのもオススメです。

最後に「通風」

風の通り道を作るには、部屋の対角線上に窓を2つ設ける方法が理想的です。ここで活躍するのが「縦滑り出し窓」です。それぞれ風が吹いてくる方向(風上側)と、部屋から風が逃げていく方向(風下側)に開くようにするのがポイントです。

 

これから家づくりを考えている皆様、出来上がった図面を見て、設計者に窓の意図を確認してみましょう。

果たして、その窓は何のためについているのでしょうか?

窓のサッシの選択が、快適な住空間をつくる効果的な一歩だと思います。